墨出しの歴史history
歴史ある職人の仕事
HISTORICAL CRAFTSMAN
古代から磨かれた専門技術
古くは飛鳥時代に建てられた世界最古の木造建造物である法隆寺にも使われたといわれる「墨出し」の技術。千年以上、それよりもっと古くから受け継がれてきた専門性の高い仕事が磨き続かれ、令和の今になってもさまざまな建築現場で必要不可欠な仕事として残り続けています。
道具の歴史と進化
昔は水盛り管を使って水平ラインを引くことで正確な「墨出し」を行っていました。現在ではこの方法を使うことは少なくなり、レーザーを使ってラインを引くことが多くなりましたが、それでも基礎となる知識や技術は現場では不可欠です。現在の道具の進化や建築技術の進化は全て基礎となる「墨出し」からつながってきた技術なのです。
「墨出し」無くして建物たたず
建物を建造する際、最初に作られるのが設計図です。その設計図を実際の敷地へ落とし込むのが「墨出し」の仕事。昔は「墨出し大工」と呼ばれたくらい建築と密接にかかわる専門職です。設計図がなければ建物がつくれないように、「墨出し」がなければ建物は建てることができないのです。
作品として残り続ける
「墨出し」は外から見える仕事ではありません。建物が完成すれば仕事のあとは見えなくなってしまいます。ただ、そこに建物がある以上、自分が出した墨が永遠に残り続ける。頑丈な建物ができたのは精度の高い「墨出し」が行われた結果であり、それは紛れもなく作品と呼べる仕事です。