コラムcolumn

コラム情報詳細

COLUMN DETAIL

セオドライトの使い方は?トータルステーションとの違いや種類についても解説

2023/10/17

セオドライトとトータルステーションは、測量分野で重要な役割を果たす測定器です。
この記事では、セオドライトの基本的な使い方から、トータルステーションとの違い、そして異なるセオドライトの種類について詳しく解説します。

測量技術に興味を持っている方や、セオドライトの選択肢を検討している方にとって、参考になるでしょう。

セオドライトの使い方は?トータルステーションとの違いや種類についても解説

セオドライトとは?

セオドライトは、測量で使用される精密な測定器の一つです。
その基本的な機能は、水平角と高度角を測定し、これらの角度情報を提供することです。
測量作業において、正確な角度情報は建設プロジェクトや土木工事などにおいて不可欠です。

セオドライトは、測量分野で幅広く使用されています。

主な用途

セオドライトの主な用途は以下の通りです。

地形測量
地形の起伏や傾斜を正確に測定し、地図の作成や建設プロジェクトの計画に活用されます。

建設工事
建設プロジェクトにおいて、基準点や位置の測定に使用され、建物やインフラの正確な配置が可能となります。

道路測量
道路や高速道路の設計や改修において、道路の勾配や曲線などを計測するのに役立ちます。

トータルステーション、トランジットとの違い

セオドライトには、トータルステーションとトランジットという2つの関連する測量機器と比較して異なる特徴があります。

トータルステーション
トータルステーションは、角度測定に加えて、距離も高精度に測定できる測量機器です。
セオドライトと距離計を組み合わせたもので、建設プロジェクトや土木工事において、角度と距離の両方を必要とする場面で広く使用されています。

トランジット
トランジットは、古典的なセオドライトの一種で、主に角度測定に特化しています。

角度を測定し、建設プロジェクトにおける基本的な測量作業に使用されます。
しかし、距離の測定は行えません。

セオドライトの使い方

セオドライトを使用する際の基本的なステップを以下に示します。

セオドライト設置のためのロケーション選択

セオドライトを正確に使うためには、平坦で硬い土地を選ぶ必要があります。
地盤の状態をよく調査し、適切な場所を選んでください。

アルミ製三脚の設置方法

アルミ製三脚はセオドライトの重要な支柱です。以下がその設置手順です。

三脚の下のバンドを取り外し、ネジを緩めます。

適当な高さに三脚を伸ばし、地面にしっかりと固定します。地盤が柔らかい場合は、しっかりと踏み固めてください。

セオドライトの三脚への取り付け

セオドライトを三脚に取り付ける手順は以下の通りです。
セオドライトを三脚の上に置き、底部のネジ穴を使って三脚のネジと固定します。

精度を要する測定をする場合は、水平垂直の調整をして、セオドライトを正確に設定してください。

セオドライトのレベリング

セオドライトのレベリングは正確な測定のために不可欠です。手順は以下の通りです。
水平器のバブルと調整ネジを使って、バブルが中央に来るように調整します。

バブルが中央に来たら、セオドライトを90°回転させ、残りの調整ネジを使ってバブルを中央に保ちます。

セオドライトを元の位置に戻し、再度バブルが中央に来るように調整します。

望遠鏡のフォーカス調整

望遠鏡のフォーカスと目標の照準を行う手順は以下の通りです。
フォーカスリングを調整して、レティクルが鮮明に見えるようにします。

目標を照準するため、視野を調整して対象を中央に合わせます。

目標を照準する際には、水平固定ノブと望遠鏡固定ノブを調整して、正確に目標を捉えます。

セオドライトの使用方法

セオドライトを操作する際の手順は以下の通りです。
最初のポイントを照準し、水平角度を「0セット」に設定します。

次のポイントを照準し、両点間の角度を計測します。水平角度は通常、時計回りに表示されます。

高度角には「0セット」の概念はなく、90°が水平面となります。また、表示を切り替えることで、傾斜なども計測できます。

セオドライトの再設定

セオドライトを新しい測定ポイントに移動する際は、前述のレベリングと照準作業を再度行う必要があります。

セオドライトの種類

セオドライトには、さまざまな種類があり、それぞれ異なる用途に向いています。
以下は一般的なセオドライトの種類についての説明です。

デジタルセオドライト
デジタルセオドライトは、角度を電子的に測定しデジタル表示する機器です。
角度の読み取りが迅速で正確であり、地形測量や勾配測定に広く使用されます。
一部の機種では墨出し作業も行えます。

光学式セオドライト
光学式セオドライトは、デジタルマイクロメータ機構を内蔵し、視度環を回すことで角度を読み取ります。
バッテリーを使用せず、瞬時の読み取りが可能で、一般土木や機械測量に使用されます。
ただ光学式セオドライトは、デジタルセオドライトと比較し、流通量が少ないです。

精密セオドライト
精密セオドライトは高い測定精度を持つ機器で、大型精密機器の据え付けや工業計測に使用されますが、他のセオドライトと比較して使用頻度は低いです。

レーザー式セオドライト
レーザー式セオドライトは、デジタルセオドライトに半導体レーザーダイオードを組み込んだもので、レーザービームを使用して観測ポイントを照射します。
建設プロジェクトや地価公示、トンネル工事、建築工事などで広く使用されます。

セオドライトは測量や機械装置に重要

セオドライトは測量分野や建設プロジェクト、土木工事などで不可欠な測定器の一つです。
正確な角度情報を提供し、位置決めや地形測量において大きな役割を果たしています。
また、異なる種類のセオドライトがさまざまな用途に適しており、適切な機種の選択が作業効率向上につながります。

セオドライトとその種類に関する理解は、測量技術の向上や建設プロジェクトの成功に貢献するでしょう。