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墨出しは建設現場で超重要な仕事!使用する道具や用途、墨出し作業などを解説!

2023/10/21

何か構造物を建築するとき、図面通りに建築できるよう設計図を見ながら作業します。

しかし、紙を見ながらの作業だけでは地面と実物に誤差が生じてしまうかもしれません。

もし、作業員同士で図面に関する認識の違いが発生してしまったら、建物が図面通りに出来上がらないことになり、場合によっては最初からやり直しになるかもしれません。

そういった事態を避け、現場にいる人たちで情報・認識を共有するために行われる作業が墨出しです。

本記事では墨出しがどのような作業か、使用する道具の名前や用とは何か、作業の順番や墨出し作業に向いているのはどのような人かについて解説します。

墨出しは建設現場で超重要な仕事!使用する道具や用途、墨出し作業などを解説!

墨出しはどんな作業?

墨出しとは、設計図に書かれている内容を現場に落とし込む作業です。

柱の位置や窓の位置など配置するものの位置関係をハッキリさせ、設計通りに建物を建設するための目印を現場に書き記します。

印をつけることを「墨を打つ」と表現しますので、墨を打つと書いていたら印をつけることだと認識していただければと思います。

墨出し作業は超重要!

墨出しは、設計図の中にある情報を建設現場に反映させる作業です。

2次元のものを3次元にし、誰が見てもわかるように目印をつける作業だといえます。

この目印の場所がずれていたらどうなるのでしょうか?

建物は設計していた通りのものにならず、顧客の要望する品質のものではなくなってしまうでしょう。

そうなれば、建物を相手に引き渡すことはできませんので、取り壊して立て直す羽目に陥るかもしれません。

建築物の基本中の基本であり、非常に重要な作業だといえます。

墨出しに使用する道具と用途

墨出しには色々な道具を使用します。

主な道具の名称と用途を整理しましょう。

墨つぼ

墨つぼは材料の凹凸と関係なくまっすぐに線を引くための道具です。

墨を吸い込んだ綿が収納されていて、そこに糸を通して糸を黒くしておきます。

黒くなった糸を引っ張り出してはじくことで直線を弾きます。

墨差し

墨汁で水平や垂直の直線を引く道具です。

棒状の道具で、一方の先端がへらのような形で、もう一方の先端がペンのような形になっています。

チョークライン

墨つぼと同じく直線を引く道具です。

墨ではなく粉チョークを使用するので、もし間違えた線を引いてしまっても修正可能です。

下げ振り器

おもりを糸にぶら下げて、垂直かどうかを確認する道具で柱の垂直を確認するときなどに利用する道具です。

糸巻き

糸を巻き取る道具で、ゼンマイを使った自動式のものとハンドルを手で回す手動式のものがあります。

測量機器(セオドライト、トータルステーション)

墨出しで主に使用される測量機器はセオドライトとトータルステーションの2つです。

セオドライトは角度を測る機器で、高度角や水平角などを測ります。

トータルステーションは角度と距離を一気に測れる機器です。

以前はレーザー距離機とセオドライトの2つを使って角度と距離を測っていましたが、トータルステーションの登場により、同時に計測できるようになりました。

墨出し作業の順番

墨出しには色々な道具を使うことがわかりました。

ここからは、墨出し作業の順番を説明します。

設計図面に従って印をつける

最初に行うことは設計図面に従って印をつけることです。

次に、付けた印のうち2つ以上の点を結んで墨打ちを行います。

後ほど解説するレーザー墨出し器を使用するようになってから、一人でも墨出しが可能になりましたが、それ以前は2人1組で墨出しをするのが普通でした。

2人でする場合、経験が浅い人が墨つぼ側を持ち、経験豊富な人が墨出しの位置を決めるカルコをもって印をつけます。

印をつけたあと糸をはじいて墨を打ちますが、位置決めや糸のはじき方などはある程度の経験が必要ですので、経験者が担当します。

基準となる線をひく

柱や梁の中心を決める芯墨や高さ基準となる陸墨、床面に引く地墨、直接墨を打てない場所の近くに目印として打つ逃げ墨など、建設の基準となる線を引きます。

下の階から順番に基準線を引き、徐々に上の階層に墨を打っていきます。

幅広く使われるレーザー墨出し器

墨出し道具として忘れてはならないのがレーザー墨出し器です。

壁や天井などに直角・水平の線を映し出してくれるとても便利な道具です。

ある程度、自動で水平に調整してくれるため手間が減ります。

レーザー墨出し器の普及のおかげで、一人でも墨出しの作業ができるようになりました。

墨出し作業に向いている人

どのような人が墨出し作業に向いているのでしょうか。

一つは正確な作業ができる人です。

墨出しが誤っていると工事全体に大きな影響を与えるので失敗が許されません。

数字に強い人も向いています。

墨出しで色々な数字を扱うからです。

外で行う作業が多いので、体力があることも墨出し作業の適性の一つです。

まとめ

今回は墨出しの道具や墨出し作業の手順について解説してきました。

墨出しは設計図を現実世界に再現する作業であり、建物の品質を維持するためにとても重要です。

墨出しには墨つぼや墨差しのように線を描くための道具だけではなく、下げ振り器や測量機器のように正確に測るための道具も使います。

墨出しを正確に行うにはある程度の経験が必要であるため、さまざまな現場で場数を踏む必要があるでしょう。