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墨出しとはどんな仕事?作業手順や使用器具について解説

2023/10/27

「墨出しってどんな仕事?」
「具体的な作業手順は?」
そう悩んでいる方も多いでしょう。

そこで今回は墨出しの業務内容と作業手順について解説します。
建設業界で働きたい方や、墨出しの仕事内容に興味のある方は本記事をぜひ参考にしてください。

墨出しとはどんな仕事?作業手順や使用器具について解説

墨出しとは?

墨出しとは設計した内容を実際に建築現場へ書き込む仕事です。
建設・建築業務は設計書の内容そのままに本番へ移るわけではありません。
下準備があり、土台を整えてから建物づくりに入ります。
その下準備で最も重要と言えるのが墨出しです。

墨出しは床や地面に基準線を書き込む業務です。
(壁や柱に書き込むのは心出しと呼ばれます。)
明確なラインを引いて、設計図の内容をリアルにイメージしていきます。
この墨出し作業があるからこそ、建築物が設計書通りにつくられるのです。

墨出しの作業手順

ここからは墨出しの作業手順について解説します。
墨出しは大きく3つの作業に分けられるため、一つ一つ確実にポイントを押さえていきましょう。

作業箇所の確認と道具の用意

まずは墨出し箇所の確認と道具の用意をしていきます。
墨出し箇所の確認を欠かさず行えば、本番作業へスムーズに入れるもの。
「作業スペースは確保できているか?」「実際に線を引く位置はどこなのか?」などを確認し、イメージを現実化させるのです。

作業箇所が確認できたら、次は道具を用意します。
具体的な道具は後ほど解説しますが、墨出しで必要な道具は数が多いです。
とはいえ、ホームセンターや工具店ですぐに買えるものばかりのため、1つ1つチェックして揃えていきましょう。

清掃

道具がそろったらいざスタートといきたいところですが、その前にすべき作業があります。
それは清掃です。
不要物が床や地面に残っていると正しく線は引けません。

線が途切れたり、場合によってはゆがんでしまったりします。
正しく線が引けなければ、設計図通りに工事は進まないです。

まずはほうきで大きなごみを掃いていきましょう。
床にこびりついたゴミは雑巾で拭くか、カッターで削って落としていきます。
誰が見ても現場に不要物が残っていなければ、清掃は完了です。

墨出し作業

清掃が終わったら、晴れて墨出しをスタートしていきます。
具体的な墨出しの手順は以下のとおりです。

1.設計図どおりに印をつける
2.鉛筆で両端に小さく印をつける
3.印と印の間に墨を打つ(チョークラインや墨つぼを使用する)
4.一人が墨つぼを持ち、一人が先端を持つ
5.糸を持ち上げて弾く

上記の流れで墨出しは完了です。
墨つぼは糸を弾けば一瞬で線が引けるため、業務が効率良く進みます。
使用方法は簡単ですが、念のため手順は押さえておきましょう。

墨出しに使用する器具

続いては墨出しに使用する器具を解説します。
昔は入手困難な器具もありましたが、今はインターネットでも注文できる時代です。
使用用途を把握し、すべての器具を揃えていきましょう。

墨つぼ・チョークライン

線を引くための墨つぼやチョークラインは作業において必須アイテムです。
墨つぼは準備に若干時間がかかるものの、使いこなせれば線引きの時間を短縮できます。
一方チョークラインは誰でも活用できますが、線を引くのに時間がかかるもの。
自分自身のスキルにあわせて準備していきましょう。

墨出し器

墨出し器は基準線を示せる画期的な装置です。
機械からレーザーが照射され、水平・垂直なラインを導けます。
墨つぼを使わなければ、墨出し器のレーザーに従って線を引くのも方法の一つ。
墨出し器を有効に使っていきましょう。

スケール(メジャー)

スケールは墨出しに限らず、工事現場では欠かせない道具の一つです。
日常生活でも使うシーンは見られるでしょう。
墨出しでは線の長さを測るために用いられます。
現在は100円ショップでも販売されているため、他の道具よりも入手しやすいのが特徴です。

差金

差金(さしがね)はL字になった物差しです。
一般的なストレート型の物差しと違うのは、直角であるか確認できる点。
壁や床にあわせて確認すれば、空間の空き具合でチェックできます。

水平器

水平器とはその名のとおり、床が水平かどうかを確認できる道具です。
建物が水平でなければ、生活に支障をきたすだけでなく、健康状態にも悪影響を及ぼすもの。
水平器の気泡管内の気泡位置によって、水平か判断していきます。
機能やサイズなど種類は豊富であるため、用途に合わせて選んでいきましょう。

まとめ

墨出しとは設計図の情報を現場へ的確に反映させるための仕事です。
設計図の内容をリアルにイメージさせるには欠かせません。
作業手順は「作業箇所の確認と道具の用意」「清掃」「墨出し作業」の3つです。
地道な作業もありますが、確実に手順を踏んでいきましょう。